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バッグや財布、靴や小物など、あらゆる所で使用されている山羊革(やぎがわ)と牛革。
これらには一体どんな違いがあるのでしょうか?
革の値段の違いから、加工や革の種類、特徴についてまとめました。
奥深いレザーの世界を少しだけご紹介します。
このページの目次
山羊革と牛革の違いとは?値段に差は?
山羊革と牛革を比べると山羊革の方がどうしても値段が高くなります。
山羊革と牛革の特徴を知ると価格の違いが分かります。
山羊革の特徴
山羊革の特徴としては繊維の密度が高く、傷に強いとされています。
牛革に比べると薄く柔らかいため、型崩れなどを起こしにくいのが特徴です。
その他に、細やかなシボ(革の模様)や独特な毛穴を持っていることも特徴のひとつと言えます。
牛革に比べ、希少価値が高いため高級革製品として取り扱われることが多いです。
牛革の特徴
牛革は基本的には皮革の中でも厚く、しっかりした革で丈夫です。
様々な加工方法があり、また牛の年齢や性別により異なる性質をもつ革です。
比較的に安価なものが多いですが、その性質によっては高級革製品として扱われることもあります。
山羊革の種類と特徴
山羊革には2種類あり「ゴートスキン」と「キッドスキン」に分けられます。
ゴートスキンは大人の山羊からとれる革を使用しています。
キッドスキンは子山羊からとれる革で、ゴートに比べて更に薄く柔らかいのが特徴です。
キッドスキンは、ゴートスキンよりも希少性が高く高級革素材として扱われます。
牛革の種類と特徴
牛革には大きく分けて5種類あります。
- カーフ
- キップ
- カウ
- ステア
- ブル
に分けられます。
他にも様々な種類がありますが、大きく分けると5つです。
カーフ
カーフは生後6ヶ月以内の牛からとれる革です。
牛革の中ではもっとも高級とされる革です。
キメが細かく柔らかい素材で、とても繊細です。
牛革の中でももっとも上質な素材とされています。
キップ
キップは生後1年以内の牛の革です。
カーフの次に高級とされています。
カーフよりも丈夫ですが、革の中では繊細な部類です。
カウ
カウは生後2年以上のメスからとれる革です。
オスの革ほど厚みがなく、少し柔らかい素材です。
キップやカーフよりも丈夫な素材です。
ステア
ステアは生後3ヶ月から6ヶ月の間に去勢されていて、生後2年以上のオスの革のことを指します。
一般的に牛革として出回っているものはだいたいこのステアです。
カウよりもやや厚みがあり、ブルよりも柔らかいのが特徴です。
ブル
ブルは去勢されていないオスの牛革です。
牛革の中では一番硬くて丈夫です。
オス牛は気性が荒く、ケンカによる傷が多いので、靴底などに使用される革がこのブルです。
鞣し(加工)の種類と特徴
鞣し(なめし)とは革に施す加工のことです。
鞣しによって革の性質が変わります。
山羊革も牛皮もどちらかの方法で初期加工が施されます。
大きく分けて2種類の鞣しが一般的に行われています。
- タンニン鞣し
- クロム鞣し
です。
タンニン鞣し
タンニン鞣しは植物由来の素材を使った加工です。
手間とコストがかかります。
特徴としては丈夫でハリのあるしっかりした革になります。
また、革特有のエイジング(色の変化)を楽しむことが出来るのも、このタンニン鞣しのレザーです。
クロム鞣し
クロム鞣しは化学薬品を使用した鞣しの事です。
手間もコストもかからず、タンニンにくらべしなやかで傷に強い革になります。
しかし、エイジング効果はほとんどありません。
そのため鮮やかな着色が長期間楽しめるのがクロム鞣しのレザーです。
その他の鞣し
他にも、
- 混合鞣し
(クロムとタンニンをミックスしたような方法) - アルデヒド鞣し
(アルデヒド化合物を使ったクロムより環境に優しい鞣し。コストが少し高くなる) - アルミニウム鞣し
- ジルコニウム鞣し
などの加工法もありますが、一般的ではありません。
まとめ
キッドスキンの山羊革や、カーフレザーの牛革が一般的に値段の高い革製品に利用されています。
なぜ値段が高いのかにはちゃんと理由がありました。
山羊革、牛革にはそれぞれの種類が持っている特徴や味があります。
そこにさらに鞣しの効果でまた違った特徴を持つ革製品が生まれます。
革のエイジングを楽しむならタンニン鞣し。
ハードに使えて色の変化が少ないのはクロム鞣しです。
レザーアイテムの購入の際は是非参考にしてみてくださいね。