牛革とヌメ革の違いは?ヌメ革の種類と育て方

この記事を読むのに必要な時間は約6分です。

牛側とヌメ革は基本的には同じ革です。

牛革の加工方法の1つにヌメ革があります。

ヌメ革は鞣し(なめし)をした革のことで他の動物の革のヌメ革もあります。

今回は牛革とヌメ革の違いから革の加工方法などをまとめました。

牛革とヌメ革は違う革?

牛革のブルのイラスト

牛革とは文字通り、牛の革のことです。

牛革には様々な種類や加工方法があります。

その中の一つがヌメ革です。

ヌメ革とは「タンニン鞣し」を施しただけの染色や塗装のされていない革のことです。

「鞣し(なめし)」とは動物から剥いだ、ただの皮を腐らないように加工する作業のことで、鞣す事で皮から革になります。

鞣しについては詳しくは「山羊革と牛革の違いは?値段が高いのはどんな革?」を参考にしてください。

ヌメ革の種類

ヌメ革のブックカバーのイラスト

ヌメ革は、一般的には牛革であることがほとんどです。

しかし牛革以外のヌメ革も存在します。

  • ホースヌメ
  • ゴートヌメ
  • ピッグヌメ
  • シープヌメ
  • シカヌメ

などのヌメ革が一般的に流通しています。

ホースヌメ

馬のイラスト

軽くて柔らかく、キメが細かいのが特徴です。

また、タンニン鞣しのあとに揉み加工をすることによって「シボ」といわれる自然な模様が出来ます。

それがエイジングにより味が出ます。

ゴートヌメ

山羊のイラスト

柔らかくコシがあり、適度に張りがあるのが特徴です。

山羊革の革表面は摩耗しずらいといわれています。

ピッグヌメ

豚のイラスト

牛の革よりも薄くて軽く、また独特な「シボ」がある事が特徴です。

通気性にも優れています。

シープヌメ

羊のイラスト

軽くて柔らかいのが特徴です。

ほかの革よりも繊細といわれています。

シカヌメ

鹿のイラスト

柔らかくしなやかで、感触が人肌に近いといわれています。

レザーのカシミヤと言われていて、レザーの中でも最も高級な素材です。

ヌメ革の育て方

いろいろなヌメ側の種類がありますが、一般的な牛のヌメ革の育て方を紹介します。

ヌメ革を育てる一歩目は日光浴!

太陽のイラスト

まず、使い始めは「日光浴」から始めます。

「日光浴??」なると思いますが、最初は日光浴させることが大切です。

季節によりますが、1~2週間程度で大丈夫です。

日光浴をする際、特に夏場は急激に乾燥してしまい革を傷めてしまわないよう、1~2時間ずつ

様子を見ながらすることをオススメします。

日光浴をする事で、汚れや傷が付きにくくなります。

次にブラッシング!

毎日の「ブラッシング」が大切です。

馬毛のブラシを使って、チリやホコリをこまめに取り除いてください。

さらに「柔らかい布」で磨くとツヤが出ます。

保湿も大切!

レザーのクリームのイラスト

そして月に一度程度は「保湿」をしてあげてください。

専用のワックスやクリームを柔らかい布で薄く伸ばして塗ります

さらに乾拭きをして余計な油分を取り除き、日陰で干します。

保湿をする事で、乾燥によるひび割れや傷みを防ぎ、長く使う事が出来るようになります。

レザーのお手入れに使えるクリーム

牛革のヌメ革以外の加工方法

革を加工する職人のイラスト

牛革にはヌメ革以外の加工方法がたくさんあります。

銀面(毛の生えていた面)を活かした加工や、起毛加工、光沢加工などに分かれます。

オイルレザー

鞣し加工の時にオイルを染み込ませる加工方法です。

革をより丈夫でしなやかになります。

シュリンクレザー

鞣し加工の時に、熱や薬品を使って収縮させた加工方法です。

細かい縮みシワ=シボができるのが特徴

型押しレザー

鞣し加工のあとに、プレスしてへびやワニなどの模様を付ける加工のことです。

傷や汚れに強いのが特徴

ブライドルレザー

鞣し加工のあとに、ロウやワックスなどをたっぷり塗りむ加工方法です。

表面がツルツルしていて、長く使うと白い粉(ロウ)が浮き出てくるのが特徴です。

軽く拭き取ると簡単にとれます。

銀付き革

毛の生えていた面をそのまま使った革です。

傷の少ない子牛からとれた革で作るので、とても希少性が高くなります。

エナメルレザー

ウレタン樹脂のコーティングを施した革のことです。

パテントレザーともいわれます。

傷や水に強いのが特徴です。

ガラスレザー

革の銀面(表面)を削って整え、合成樹脂でコーティングを施した革です。

傷や水に強く、比較的安価で手に入る素材。

ヌバック

革の銀面(表面)をサンドペーパーなどで毛羽立たせた加工のことです。

しっとりとした触り心地が特徴です。

スエード

革の床面(裏面)をサンドペーパーなどで毛羽立たせた加工方法です。

毛足はベロアよりは短めであることが特徴です。

ベロア

革の床面(裏面)をサンドペーパーなどで毛羽立たせる加工のことをベロアと呼びます。

毛足はスエードより長めであることが特徴です。

革の加工方法一覧

銀面(毛の生えていた面)を活かした加工には、オイルレザーシュリンクレザー型押しレザーブライドルレザー銀付き革があります。

ツルツルして、光っている光沢加工(こうたくかこう)には、エナメルレザーガラスレザーが使われているのが一般的です。

毛羽立ったレザー素材は、起毛加工のヌバックスエードベロアが主に使われています。

まとめ

牛革とヌメ革は基本的には同じです。

牛革を加工した物がヌメ革になります。

ヌメ革はレザーの加工方法のことで、牛革の種類ではありません

他の動物の革でもヌメ革に加工して販売されている商品もあります。

ヌメ革は最もシンプルな加工方法ですが、エイジングや手入れ次第で色んな顔を魅せてくれる奥の深い革です。

革は加工ひとつで全く違った特徴を持つ素材に変化します。

用途や好み、季節で色々な加工を楽しむことが出来るのも革製品の醍醐味のひとつであり、革の楽しみ方です。

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