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ジムに行って体を鍛えたり、日常的に筋肉を維持するために摂取するプロテイン。
必要なたんぱく質をプロテインで補っていらっしゃる方も多いです。
値段が高くて継続的に飲むにはお金がかかります。
そこで値段が安くて高タンパクのきなこをプロテインの代わりに摂取しても大丈夫なのでしょうか?
実は全く大丈夫ではありません。
今回はどちらも同じ大豆から作られているソイプロテインときなこの違いについてまとめました。
このページの目次
プロテインときなこの違い
ソイプロテインときなこには大きな違いがあります。
きなこは大豆を炒って、皮をむいて粉にした食べ物です。
基本的には大豆100%で作られています。
ソイプロテインときなこはどちらも植物性たんぱく質を豊富に含んでいます。
原料の違い
ソイプロテインの主な原料は大豆です。
しかし、プロテインの場合は主に加工された大豆から作られます。
国内の某大手メーカーのソイプロテインは脱脂大豆が使われています。
大豆から油を絞ったものを原料にしているため、たんぱく質は豊富ですが、脂質が少なくなっています。
その他にも、食塩やビタミン、カルシウム、甘味料など様々な原料がプロテインには使われています。
きなこの栄養分
某有名メーカーのきなこ約20gの栄養成分表です。
たんぱく質 | 2.93g |
エネルギー | 37Kcal |
脂質 | 1.93g |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.05mg |
ビタミンE | 0.08mg |
ビタミンK | 3.05μg |
カルシウム | 20.6mg |
マグネシウム | 19.8mg |
ナイアシン | 0.15mg |
ナトリウム | 0.08mg |
パントテン酸 | 0.1mg |
炭水化物 | 2.557g |
葉酸 | 20.6μg |
鉄 | 0.75mg |
カリウム | 156mg |
リン | 42.8mg |
亜鉛 | 0.29mg |
銅 | 0.09mg |
食物繊維 | 1.39g |
プロテインの栄養分
某大手メーカーのプロテイン約20gの栄養成分表です。
たんぱく質 | 16.8g |
エネルギー | 78kcal |
脂質 | 0.7g |
ビタミンA | 17μg |
ビタミンB1 | 2mg |
ビタミンB2 | 1.2mg |
ビタミンB6 | 0.5mg |
ビタミンB12 | 0.21μg |
ビタミンC | 74mg |
ビタミンD | 1.0μg |
ビタミンE | 1.3mg |
カルシウム | 147mg |
マグネシウム | 152mg |
ナイアシン | 5.3mg |
ナトリウム | 210mg |
パントテン酸 | 0.76mg |
炭水化物 | 1.1g |
葉酸 | 53μg |
鉄 | 6.7mg |
ガルシニアエキス | 116mg |
栄養分の比較
同じ量のプロテインときなこを比較すると必要なたんぱく質の量がきなこの方が圧倒的に少ないです。
約6倍の差があります。
同じ量のたんぱく質をきなこから取ろうとすると、きなこの場合は、114gも摂取しなくてはいけません。
114g摂取した場合のエネルギーは約210Kcalです。
せっかく運動して消費したカロリーもきなこを摂取することにより意味がなくなってしまいます。
また、ビタミン類もプロテインの方が多く含まれています。
きなこには特にプロテインにとっては必要ではない栄養素も含まれています。
プロテインときなこのメリットとデメリット
栄養素の違いを理解した上で、プロテインときなこのメリットとデメリットを考えました。
プロテインのメリットとデメリット
プロテインは筋肉を増やしたり、維持する目的で開発された食品です。
そのため、運動前後に摂取して筋肉を増やしたり、回復させるのに特化しています。
プロテインのメリット
- たんぱく質の割合が高い
- カロリーが低い
- 脂質が少ない
- 水に溶けやすい
プロテインのデメリット
- 値段が高い
(1kg 4,500円前後~)
きなこのメリットとデメリット
きなこは一般的に食材として利用されます。
決して運動前後に摂取するための食品ではありません。
主に和菓子で使われることが多いです。
きなこのメリット
- 値段が安い(1kg 600円前後)
きなこのデメリット
- たんばく質の割合が低い
- カロリーが高い
- 脂質が多い
- 水に溶けない
メリットとデメリットを比べるとプロテインの代わりにならないことがよく分かります。
きなこをプロテイン代わりに摂取するとどうなる?
たんぱく質を30g摂取してから筋トレを始めるとします。
プロテインは約40g(約大さじ2杯)、きなこは約200g(1袋)摂取する必要があります。
価格の差もプロテイン約40g 約180円、きなこ1袋 約120円です。
きなこが2/3程安く、それ程大きな差ではありません。
きなこを200g摂取すると、脂質を約10g、エネルギー185Kcalを摂取してから運動することになります。
一方プロテインは、脂質が約4g、エネルギー156Kcalです。
プロテインの方が余分な脂質とエネルギーの摂取を抑えることができます。
脂質が多いため血流も悪くなり、運動の効果を得ることも難しくなります。
水に溶けないきなこを1袋、運動前に摂取するのはかなり大変です。
きなこをプロテイン代わりに摂取するのは意味がありません。
きなこの上手な活用法
きなこはデメリットばっかりではありません。
プロテインと比較するとデメリットが多いように見えますが、大豆イソフラボンが新陳代謝を高める効果を持っています。
たんぱく質以外にもプロテインには含まれていない炭水化物、ビタミンK、カリウム、カリウム、リン、亜鉛、銅、食物繊維が含まれています。
バランスの取れた栄養素の高い食材なのは間違いありません。
少しだけプロテインや、スムージー、グラノーラに混ぜたりして摂取することで健康に役立つ食品です。
プロテインの代わりに使ってはいけませんが、毎日少しずつ摂取するには最適な食品です。
まとめ
筋肉を増やしたり、維持するために必要なたんぱく質を摂取するためにきなこはプロテインの代わりになりません。
きなこの価格は安いですが、原料がプロテインと全く違います。
栄養素を比較しても、重要なたんぱく質の割合が少ないです。
プロテインと比較すると同じ量で約6倍も差があります。
きなこの方が脂質やエネルギーの量が多く、摂取すると運動する意味がなくなります。
運動の効果を高めるために摂取するプロテインの代わりに、きなこを摂取して効果を無くすのは本末転倒です。
きなこは栄養分が豊富で、スーパーフードの1つにもなっています。
適量を適度に摂取して、健康を維持するために摂取してください。
決してプロテインの代わりに使わないでください。