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暑い季節はドライアイスを目にする機会が増えますよね!
アイスや生鮮食品を購入すると少しだけ入れてくれます。
バーベキューなどのアウトドアイベントでもお肉などを冷たくしておくためにドライアイスを保冷剤の代わりに使うこともあります。
ドライアイスはクーラーボックスに入れて持ち運びしても大丈夫です。
ドライアイスは密閉容器に入れると爆発する可能性がありますが、クーラーボックスの場合はOKです。
そこで今回は、ドライアイスとクーラーボックスについてまとめました。
このページの目次
ドライアイスをクーラーボックスに入れても大丈夫?
ドライアイスをクーラーボックスに入れても大丈夫です。
クーラーボックスは完全密閉された構造ではないため、爆発する可能性は極めて少ないです。
ボックス本体とフタの隙間から少しずつドライアイスが気化した二酸化炭素が漏れ出します。
クーラーボックスの中に二酸化炭素は充満しますが、爆発するまでにはいたりません。
高性能で気密性の高いクーラーボックスを使う場合や、長時間密閉したままにする場合は注意が必要です。
クーラーボックスのフタを時々開けて、ボックスの中を換気するようにしてください。
ドライアイスを密閉容器に入れるとなぜ爆発するの?
ドライアイスは二酸化炭素が固体になったものです。
少しずつ気化して固体から気体へと変化します。
ドライアイスは気化すると体積が約750倍に増えます。
気密性の高い容器に入れてフタをしてしまうと、その中に二酸化炭素が充満して中の圧力が高まります。
増えすぎた二酸化炭素が容器の中から外へ出ようとする力が働き、容器が耐えきれずに爆発してしまいます。
爆発の大きさは、コンクリートブロックを壊してしまうこともあるためかなりの威力です。
ドライアイスの量が多い程、密閉容器の強度が高い程、爆発の威力が増します。
ドライアイスをペットボトルに入れて爆発するまでの時間
ペットボトルにたくさんの細かいドライアイスを入れて、フタをすると大きな爆発が起こります。
量にもよりますが、フタを閉めてから爆発するまでは数分程でそれほど長い時間はかかりません。
500mlのペットボトルにドライアイスを入れた場合、爆発までの時間はおよそ5~10分程度です。
ペットボトルの中に水やジュースなどの水分が入っているともっと早く爆発します。
飲み物を早く冷やしたり、ドライアイスを持ち運ぶためにペットボトルに入れてフタをすると非常に危険です。
絶対に止めてください。
毎年多くの方が事故に遭っています。
東京消防庁が行ったドライアイスによるペットボトル爆発の実験映像をご紹介します。
ドライアイスを入れたクーラーボックスはなぜ爆発しないの?
ドライアイスをペットボトルに入れてフタを閉めると爆発します。
クーラーボックスも爆発の可能性はゼロではありません。
クーラーボックスの取扱説明書には「ドライアイスを入れないでください。」と注意書きが明記されていることもあります。
特に高性能で高級な気密性の高いクーラーボックスにドライアイスを入れると中に二酸化炭素が溜まりやすく、爆発する危険があります。
しかし、ペットボトルに比べるとクーラーボックスの気密性はそれほど高くありません。
ドライアイスを入れたクーラーボックスが爆発しない理由
クーラーボックスは大きなフタとボックス本体に分かれています。
物を入れるためのフタが大きく開口し、フタの縁にはゴムのパッキンがついていて中の冷えた空気が外に出ないようになっています。
しかし、パッキンの隙間から少しずつ外へ漏れていくのが実情です。
容量もペットボトルに比べるとかなり大きく、ドライアイスが気化して発生した二酸化炭素が爆発するほど充満するまでにかなりの時間がかかります。
二酸化炭素が溜まったとしてもフタが気体に押されて開いてしまうこともあります。
また、ドライアイスは気温が高いほど気化が進みます。
クーラーボックスには断熱材が使用されていて、外気の温度に関わらずボックス内の温度を一定に保つことができます。
そのためペットボトルよりもドライアイスが気化するスピードが遅いです。
ペットボトルはドライアイスの気化が急激に進み、容器の中に二酸化炭素が充満するまで時間がとても短く爆発してしまいます。
クーラーボックスでもドライアイスの気化は避けられません。
スピードが遅く、爆発するほど二酸化炭素が充満しない構造になっています。
クーラーボックスにドライアイスを入れて爆発するのが心配な方は、1時間に1回程度クーターボックスのフタを開けて換気してください。
クーラーボックスの仕組みと気密性
クーラーボックスは難しく言うと「携帯用バッグ型保温箱」と言います。
プラスチックのケースのまわりに断熱材を入れた構造になっていて、外気の温度に影響されずに中の温度を一定に保つことができます。
断熱材には発泡スチロール・発泡ウレタン・真空パネルなどが使われていることが多いです。
断熱材のおかげで暑い夏の日にも中に氷やドライアイスを入れておくと冷たく冷やしておくことができます。
断熱材とともに重要なのが、フタの内側に付いているゴムのパッキンです。
クーラーボックスのパッキンについて
パッキンは気密性に大きく関係しています。
パッキンはクーラーボックスの品質によって、高性能で気密性の高いものもあれば、そうでないものもあります。
弾力がなく一度圧迫されると跡が残ってしまうようなパッキンでは気密性は保てません。
日本製のクーラーボックスにはほとんどパッキンが付いていますが、外国製のクーラーボックスには付いていないものも多いです。
商品によって気密性がものすごく高い高性能のクーラーボックスから、価格も手頃で気密性が少し弱いクーラーボックスまで様々です。
どのクーラーボックスにドライアイスを入れるにせよ、換気さえ行えばペットボトルのように爆発することはありません。
ドライアイスとは?
ドライアイスは二酸化炭素を固体にしたものです。
マイナス79℃と非常に低温で、保冷剤としてよく使われます。
氷のように溶けて液体にならず、表面から気化して直接気体になります。
冷やすものが濡れないのもメリットの1つです。
ドライアイスをクーラーボックスで安全に保管するポイント
ドライアイスを買ってすぐに使うことは少ないと思います。
翌日のキャンプやバーベキューに持っていくことが多いですよね。
そこで、ドライアイスをクーラーボックスに入れて安全に保管しておくポイントをご紹介します。
気化するスピードを遅らせる
ドライアイスを新聞紙や布で包んでください。
ドライアイスの周りに熱を通さないようにし、ドライアイスの冷気を逃がさないようにできます。
なるべく小さい容器(ナベやダンボールなど)に入れ、布や新聞紙で落とし蓋をしてクーラーボックスに入れてフタをしてください。
気化するスピードを遅らせることが出来るため、クーラーボックス内に充満する二酸化炭素の量も抑えることができます。
ドライアイスを長持ちさせる効果もあり安全です。
空気の入れ替えは必ず!
ドライアイスを気化しないようにすることはほぼ不可能です。
-79℃以下の環境を作ることは素人にはできません。
そのため、クーラーボックスにドライアイスを入れておく場合は必ず中の空気を入れ替えてください。
二酸化炭素を逃がし、クーラーボックス内を換気することで爆発を避けれます。
夜に一度空気を入れ替えておけば利用する朝にもう一度入れ替えておけば安心です。
入れ替えるときにクーラーボックスの中の冷たい空気が外に出て、暖かい空気が中に入ることになるため、気化は進みやすくなります。
安全のためにはあきらめてください。
また、空気の入れ替えをするときは車の中や締め切った部屋で行うと空気中の二酸化炭素濃度が急激に上がりで意識が飛んでしまうことがあります。
なるべく広い場所で行うようにしてください。
専用保存ボックスを使う
ドライアイスを保存するための専用ボックスもあります。
高価ですが、ドライアイスの量が多い時は検討してください。
中には通販で買うと専用のボックスに入れて送ってもらえる業者もあります。
まとめ
ドライアイスはクーラーボックスに入れても大丈夫です。
ペットボトルのように断熱できない小さくて気密性の高い容器に比べると、断熱性にも優れていて大きくて気密性も100%ではありません。
そのため、爆発する可能性は極めて低いです。
なるべく安全にクーラーボックスでドライアイス入れておくためには、
- 気化するスピードを抑えるために新聞や布で包む
- 数時間に一度中を換気する
などしてください。
どうしても心配な方はドライアイス専用のボックスも販売されています。
少しの時間だからとペットボトルにドライアイスを入れてフタをして持ち運ぶのだけは危険なので止めてくださいね。
ドライアイスは使い方によってはとても便利です。
ドライアイスについて理解をして、安全に使用してください。