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海外旅行に行くと爪楊枝を見かけませんよね?
爪楊枝はちゃんと海外にもあります。
なぜあまり見かけないのでしょうか?
そこで今回は海外の爪楊枝事情をまとめました。
このページの目次
爪楊枝は海外にもあるの?
日本では当たり前のように飲食店のテーブルの上に置いてある爪楊枝。
全世界どこでも爪楊枝はあります。
形が日本とは違う国もあります。
また、欧米ではテーブルの上に置かれていることはあまりありません。
大衆的なお店でも爪楊枝は置いていることは少ないです。
なぜあまり置いていないかと言うと、欧米人は矯正する人が多く、歯にあまり物が詰まらないからではありません。
マナーの問題です。
欧米での爪楊枝マナー
欧米の食事マナーでは「麺をすすって音をたてない」など日本とは違うマナーがあります。
食事中に食べ物が歯に詰まったり、引っかかった場合は、食後にトイレ(レストルーム)に行って取るのが一般的です。
テーブルで爪楊枝を使うのはマナー違反です。
ホテルのレストランや、小洒落た飲食店ではテーブルのには爪楊枝は置かれていません。
和食やアジア系食の飲食店の場合は置いてある場合もあります。
日本の高級レストランなどもテーブルの上には爪楊枝がありませんよね?
欧米で爪楊枝が欲しい場合はどうすればよい?
爪楊枝やデンタルフロスはレストランのテーブル担当ウエイターまたはフロントに頼めば持ってきてくれます。
また、欧米ではデンタルフロスを持ち歩き、食後にトイレ(レストルーム)で歯間清掃を心掛ける事が「素敵な振舞い」とされています。
トイレで歯ブラシ感覚で使用するのため、他人には気づかれません。
爪楊枝を歯間に挟んで、外を歩けるのは日本を含めたアジアだけで目にする光景です。
英語で爪楊枝は?
英語で爪楊枝は「Toothpick」と言いいます。
爪楊枝をウェイターにお願いする時は、
「May I have some toothpick please.」(メイ・アイ・ハブ・サム・トゥースピック・プリーズ)
何本か爪楊枝を下さいと伝えると持ってきてもらえます。
レストランによってはトイレ(レストルーム)やレジ近辺のフロントに置いてあることもあります。
世界の爪楊枝事情
世界の爪楊枝事情をまとめました。
各国で形が違ったり、両側が爪楊枝になっているタイプがあります。
ヨーロッパの爪楊枝事情
ヨーロッパの爪楊枝には、先が尖った平たい羊羹に付属の木のヘラのような爪楊枝が使われていることがあります。
また、日本と同じように棒状で両端が尖っている物や、プラスチック製、ストローを斜めに切ったようなタイプもあります。
レストランではテーブルに置いてあることはなく、フロントに置いてあることが多いです。
個別に1本ずつ包装されていることもあります。
アメリカやカナダの爪楊枝事情
アメリカではプラスチック製の爪楊枝が良く利用されています。
カクテルを注文した時に果物に挿してあるような爪楊枝で、色がカラフルでかわいい物もあります。
日本のような棒状の爪楊枝の先端にミント味が付けられているレストランもありました。
カナダの会社が販売している爪楊枝にはレモン、シングルモルト、バーボン味の爪楊枝もあります。
北米のレストランでも稀にテーブルの上に爪楊枝が置いてあります。
置いてない場合はレジカウンターにあることが多いです。
南米の爪楊枝事情
南米にも爪楊枝はあります。
スイスナイフ(アーミーナイフ)のような持ち歩くタイプの爪楊枝が販売されています。
プラスチックや金属の爪楊枝がナイフと同じように持ち手の部分に収納されていて取り出すことができます。
使い捨てではなく、洗って何度も使えます。
中東の爪楊枝事情
中東は「ニーム(インドセンダン)」と呼ばれる木の枝のを片側だけ尖らせた木製歯ブラシの発祥の地域です。
歯を磨くための木で、主に仏教圏やイスラム教圏で使用されていました。
「ニーム(インドセンダン)」の歯ブラシは歯木(しぼく)と呼ばれ、お釈迦様が使ったとも言われています。
爪楊枝の元祖とも言われます。
パキスタンでは「ピールー」と呼ばれる植物を使い、サウジアラビアでは「サルバドラ」と呼ばれる植物が使われています。
歯木(しぼく)のことをミスワックやスワックと呼び今でも使われています。
中国の爪楊枝事情
中国のレストランに置いてある爪楊枝の多くは両側が尖った木製で、棒状の物が多いです。
日本よりやや細い物もあります。
折れやすいのが欠点です。
中国でも爪楊枝を使うことは一般的で多くのレストランで見かけることができます。
韓国の爪楊枝事情
韓国の爪楊枝はデンプンなどから作られた両端が尖った爪楊枝が主流です。
使ったあとにそのままかじって食べたり、残飯と一緒に捨てることができます。
ゴミにならずにエコな爪楊枝文化が普及しています。
韓国の飲食店ではでんぷん質の爪楊枝の使用が義務付けられています。
東南アジアの爪楊枝事情
東南アジアでは竹製の爪楊枝を多く見かけます。
両端を尖らせた物が一般的です。
高級レストランで見かけることはありませんが、大衆的なお店だと見かけることがあります。
また、タイやベトナムでは竹を切っただけの爪楊枝もありました。
東南アジアの方も食後に日本人と同じく爪楊枝を良く使います。
爪楊枝の機内持込は?
欧米に旅行や出張で行くとき、わざわざ言わないともらえない爪楊枝。
日本から持って行けば苦労しませんよね!
飛行機の機内に爪楊枝を持って乗ることは問題ありません。
金属製の物は手荷物検査で引っかかることがあるので、木製の一般的な爪楊枝を持って行ってください。
また、機内では食後にキャビンアテンダントに頼むと爪楊枝はもらえます。
何本か欲しい時は機内で多めにもらうことをオススメします。
欧米ではマナー違反にならないように爪楊枝を使ってください。
爪楊枝は何からできているの?
一般的に木製の爪楊枝の原材料には白樺が使われることが多いです。
白樺は柔らかいため、建築や木製製品の加工には適していません。
しかし、柔らかさが歯や歯ぐきを傷めにくく。爪楊枝を作るのに最適な素材です。
成長が早く、自生するため、原材料費が安いこともあります。
日本の爪楊枝
日本の爪楊枝は片側の先端が尖っていて、頭の部分に細工がしてある物が一般的です。
頭の部分は耳かきをするために作られているわけではありません。
製造する時に焦げてしまうため、溝を付けたことがきっかけと言われています。
滑り止めとしての役割も備えています。
黒文字楊枝
料亭や和菓子屋さんやお茶会などでよく見る大きめの爪楊枝を黒文字楊枝と言います。
黒文字楊枝は「黒文字」というクスノキ科の木から作られています。
大阪の河内長野では「黒文字」が大量に採れたため、つまようじ産業が盛んです。
現在でも世界的に有名な爪楊枝メーカーの「広栄社」があります。
三角爪楊枝
歯間のスキマにフィットする、先端が三角状の爪楊枝は1963年から北欧へ輸出されはじめました。
三角爪楊枝も大阪の河内長野市で誕生した商品です。
海外では高級デンタルケア用品として認知されています。
金属製のつまようじ
日本や海外でも金属製の爪楊枝が販売されています。
いろいろな種類の金属を使った爪楊枝がありますが、チタン製の物は軽くて携帯用に人気です。
日本の職人技術で作られたチタン製の爪楊枝は1本3,000円前後で販売されています。
日本の爪楊枝の作り方 !
日本の爪楊枝の原材料は北海道の白樺の原木が利用されています。
煮沸された後に、木の皮が向かれ、板状にした物を短く切ります。
それらを乾燥させてから、爪楊枝の長さに切りそろえられて、尖らせるなどの加工を施されて完成します。
まとめ
海外でも爪楊枝は一般的に使われています。
欧米のレストランなどで爪楊枝を見かけないのはマナーの問題です。
テーブルに置いていない時はトイレや、フロントなどに置いてある場合が多いです。
また、爪楊枝をお願いするとウェイターさんが持って来てくれます。
アジアでは一般的に爪楊枝が利用されていて、テーブルの上に置いてあります。
また、世界中にはいろいろな形の爪楊枝がありますが、使われ方に違いはありません。
海外旅行や出張へ行く時は爪楊枝を機内持ち込みすることは問題ありません。
心配な場合は爪楊枝を持って行くのも1つの方法です。