中学と高校の教員免許の違いは?両方を取得する方が就職に有利

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「中学と高校の免許の違いは何だろう?」と習得届の提出に迷っていませんか?

大学在学中に、中学と高校の教員免許どちらも取得できるなら両方の教員免許を取得することをオススメします。

中学と高校、両方の教員免許を持っていると就職に有利だからです。

教員免許の取得に関して知っておいてほしい履修単位数や履修科目、両方の免許が就職有利に必要な理由にについてまとめました。

教員免許の中学と高校の取得に条件はあるの?

大学のイラスト

教員免許取得の条件は、短期大学以上の学位の取得が前提です。

学位の取得とは大学卒業の認定で、卒業修了証書が必要です。

また、在学中に教員免許に必要な規定の単位を履修することも必要です。

卒業後でも免許取得ももちろん可能です。

中学と高校の教員免許を両方持っている方が就職に有利

授業をしている様子のイラスト

大学で中学と高校の両方教員免許を取得するように勧められるのは、就職と大きく関係しています。

教員採用試験募集要項は、募集の人数も教科も一定ではなく、年度によって変動します。

希望の都道府県、中学、高校などを絞ると採用試験すら受けられなくなることもあります。

就職のことも考えて、中学と高校の免許の単位を履修できるカリキュラムを組むことをオススメします。

中学と高校の教員免許の両方の必要性は?

都道府県によっては、教員採用試験を中高一括募集することがあります。

高校の教員採用試験の受験を希望してても、中学と高校の両方の教員免許を持っていないと教員採用試験を受けれないケースもあります。

そのため、大学では高校の教員採用を希望していても中学と両方の教員免許を取得することを勧められます。

また、私立の学校では中高一貫教育を展開している学校が多くあります。

中高一貫教育では中学と高校の教員免許が必要になります。

教員免許をできるだけ多く取得しておくことで教員採用試験が受けやすく、就職の機会を得やすいメリットがあります。

中学と高校の教員免許に必要な履修単位

授業をしている様子のイラスト

中学免許と高校免許の単位はほとんど重なっています。

あとは重ならない科目の単位を加えれば中学と高校の教員免許が取得できます。

教員普通免許(一種)で必要な単位は、

  • 教科に関する科目
  • 教職に関する科目
  • 教科又は教職に関する科目
  • 教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目

を合わせて中学と高校の教員免許の両方取得する場合は最低75単位必要です。

片方しか取得しない場合は67単位で大丈夫です。

8単位の差で中学と高校の両方の教員免許が取得できて、就職の幅が倍以上に広がるなら取っておいて損はありません。

中学と高校の教員免許に必要な履修単位の違い

  中学 高校 両方
教科に関する科目 20 20 20
教職に関する科目 31 23 31
教科又は教職に関する科目 8 16 16
その他の単位* 8 8 8
合計 67 67 75

*教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目
文部科学省「教員免許状取得に係る必要単位数等の概要」より

「教科に関する科目」20単位、「その他の科目」の日本国憲法や体育、外国語コミュニケーション、情報機器の操作に8単位は、中学も高校も同じです。

「教職に関する科目」が中学は31単位に対し、高校は23単位です。

高校にはない「道徳」の授業が中学にはあるからです。

また、教育実習も高校よりも中学の方が1週間長いなどの理由があります。

「教科又は教職に関する科目」は中学では8単位になの対し、高校は16単位と多くなっています。

高校の授業が中学より専門的になるため、より深く広く学ぶためです。

中学の教員免許だけに必要な単位

中学の教員免許のみに必要な科目は

  • 道徳教育論
  • 中学教科教育法
  • 介護等体験

です。

介護等体験は、”7日間の障害者、高齢者等に対する介護、介助、これらの者との交流等の体験”が平成10年から必須になりました。

中学と高校の教員免許を取得するための教育実習

教育実習は、中学か高校のどちらかで行います。

期間は1回3~4週間で履修できます。

中学と高校で2回教育実習を行う必要はありません。

まとめ

教員免許取得は、大学卒業が大前提で、教員免許取得に必要な単位の履修が必要です。

中学、高校の両方の教員免許取得には、中高に必要な単位が履修できるカリキュラム組めば取得できます。

最低で全部合わせると75単位取得すれば中学と高校の教員免許が取得できます。

在学中に中学と高校の教員免許を両方取得すると、

  • 教員採用試験募集の応募範囲が広がる
  • 受験がしやすくなる
  • 中高一貫教育の学校では両方の免許が必要

となるためです。

さらに、卒業後の単位の取得は、勤務との両立で難しいため、できるだけ在学中に取得することをオススメします。

採用試験を卒業見込みで受験する新卒の場合、応募は卒業見込み、教科の免許も取得見込みで受験します。

単位不認定で教員免許が取得できない場合は採用が合格していても就職できません。

履修単位は落とさないようにして教職の夢をぜひ叶えてください!