お通夜の時に手袋はどうすればいい?お焼香の時のマナーについて

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訃報は突然届きます。

バタバタとお通夜へ向かう準備をしていて、手を観ると派手なネイルが!

お通夜の前に急にネイルを落としに行っている暇もありません。

そんな時は黒い手袋で隠すのも1つの方法です。

そこで今回は、お通夜で手袋をしてお焼香するマナーについてまとめました。

お通夜で手袋をはめてお焼香しても大丈夫?

焼香台のイラスト

お通夜に手袋をはめて参列するのは問題ありません。

黒や濃いめのグレーなど地味で目立たない色の手袋を着用してください。

夏場であれば黒のレースの手袋でも大丈夫です。

肌の露出を避けるという意味で、こだわって必ず手袋を付ける方もいます。

派手なネイルをしている時などは手袋をして参列するようにしてください。

しかし、お焼香する時は手袋を外すのがマナーです。

お通夜で手袋をしてお焼香する時のマナー

黒い手袋のイラスト

仏教の場合お焼香の際は手袋をはずすのがマナーです。

お焼香の順番が回ってきて席を立つ時に、手袋をはずしてバッグなどにしまってから席を立つようにしてください。

キリスト教などの献花や玉串奉奠の場合ははずす必要はありません。

仏式の葬儀では通夜振る舞いや精進落としなど、食事の席が設けられることもよくあります。

そういった場合は手袋ははずすようにしてください。

急なお通夜やお葬式でのネイルはどうすればいい?

ジェルネイル専用のリムーバーのイラスト

急な葬儀でネイルをオフする時間がないという時には手袋が便利です。

お通夜や告別式でネイルについては決まりはありません。

常識的に通夜やお葬式ではネイルは避ける方が無難です。

特に親族や近親者である時は訃報を受けたらすぐにネイルをオフするのが理想的です。

どうしてもその時間が取れない場合は、

  • 手袋をはめる
  • 上からベージュのマニキュアを塗る
  • バンドエイドのシールの部分を張る

などネイルが目立たないように工夫してください。

お通夜の身だしなみやマナー

お通夜や告別式は亡くなられた方の冥福を祈る場です。

マナーには気を配り、御遺族が不快に思わないように気をつけてください。

遺族の方にとっては悲しみに寄り添う場でもあります。

ご冥福を祈る気持ちを身だしなみにも表すことが大切です。

お通夜での髪型

お焼香する女性のイラスト

髪型に決まりはありませんがシンプルで控えめな髪型がお通夜やお葬式にはふさわしいです。

ショートヘアはきちんと整え前髪が垂れてこないようにまとめてください。

ロングの場合はゴムで束ねたり、小さくまとめたりするようにしてください。

ヘアアクセサリーは黒い物や目立たないものを使います。

お通夜での服装

喪服を着用するのが一般的です。

特に親族が亡くなった場合は喪服で参列するようにしてください。

参列者の場合は喪服でなくても地味な服装であれば大丈夫です。

喪服というのは本来は遺族や近親者が喪に服していることを示す服装です。

喪服であれば問題ありませんが、普通の服でも間違いではありません。

服・靴・バックなどは黒や濃いグレーなどの目立たない地味な色を着用してください。

肌の露出した服や大きな飾りの付いた服の着用は避けるようにします。

お通夜でのネックレス

黒真珠のネックレスのイラスト

お通夜やお葬式の時にネックレスはつけても大丈夫です。

地域によってはアクセサリーを全くつけないところもあります。

身に付ける場合は必ず一連のネックレスにしてください。

二連以上は不幸が連なるという意味を含むため、ふさわしくありません。

一般的には涙を連想する真珠のネックレスがよく使われます。

黒・グレー・白などどんな色の真珠のネックレスでも大丈夫です。

お通夜でのコサージュ

礼服を購入した際にコサージュがセットになっている場合もあります。

お通夜やお葬式では一般的にコサージュは付けません。

外して行くようにしてください。

お通夜でのハンカチ

ハンカチは一般的に白か地味な色のハンカチを持っていきます。

柄物でも大丈夫ですがが、黒やグレーなどの目立たない色合いのハンカチを選ぶようにします。

お通夜での袱紗(ふくさ)

お香典などを持っていく袱紗は葬儀などの弔事には緑・紺・グレー・紫の袱紗を使うのが一般的です。

お焼香の作法について

お焼香のイラストのアニメーション

お焼香は亡くなった方に対し、お香を焚いて拝むことを指します。

広い意味では仏壇やお墓の前でお線香をあげることもお焼香です。

一般的にはお通夜・告別式・法事などで粉末状のお香を炊きます。

お焼香は仏教において行われ、神道やキリスト教などの宗教では行いません。

仏教には、様々な宗派があり、お焼香に対する考え方や作法は宗派によって様々です。

お通夜や告別式に行き、お焼香をする時はどうすればいいのか迷います。

亡くなった方や遺族がどの宗派であっても、お焼香は自分の宗派の作法でうこなうのが一般的です。

基本的にはお焼香の作法は自分の宗派のやり方を覚えておけば大丈夫です。

余裕があれば他の宗派の作法も覚え、亡くなられた方の宗派の作法を用いてください。

お焼香の流れ

お焼香の基本的な流れは亡くなった方との関係の深い順番で行われます。

喪主から始まり、親族へと続きます。

ほとんどの場合、席順が亡くなった方と関係が深い順番になっていることが多いです。

基本的には席が前の方からお焼香をするため、順番に従っていれば問題ありません。

自分の順番が来たら、手袋を外して、席を立ち、焼香台の前まで移動します。

遺族に一礼し、焼香台に近づいたらもう一度一礼してください。

宗派ごとの作法でお焼香を行います。

最後に合掌してからもう一礼し、戻り際に遺族に再度一礼して自分の席に戻ります。

宗派に関わらず前後の流れは共通しています。

宗派によって違う焼香の作法

お焼香するイラスト

お焼香の作法は仏教の宗派によって違います。

共通の流れを押さえて、ご自分の宗派のお焼香の作法を覚えておいてください。

余裕があれば亡くなった方や御遺族の宗派でお焼香をしてください。

代表的な宗派のお焼香の作法を一部ご紹介します。

細かい部分は諸説あるため、一般的な作法です。

真言宗(しんごんしゅう)

お焼香は3回行います。

「身・口・意の三業を清めるため」とされています。

「仏・法・僧の三宝に捧げる」という説や「貪り・怒り、愚痴の三毒の煩悩をなくす」という説などもあります。

1回目のお焼香では額のあたりに押しいただいて行い、残りの2回は行わないのが一般的です。

3回とも押しいただいてから行う説もあります。

曹洞宗(そうとうしゅう)

曹洞宗のお焼香は2回行います。

1回目の主香は額に押しいただいて行います。

2回目を従香は押しいただかずに行うのが一般的です。

日蓮宗(にちれんしゅう)

日蓮宗のお焼香は参列者は1回です。

額に押しいただくかは決まっていません。

浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)

浄土真宗本願寺派のお焼香は1回です。

額に押しいただきません。

真宗大谷派(しんしゅうおおたには)

真宗大谷派は東本願寺としても親しまれています。

お焼香は2回行い、両方とも押しいただかずに行うのが一般的です。

お焼香に特に決まりのない宗派

  • 浄土宗(じょうどしゅう)
  • 臨済宗(りんざいしゅう)
  • 天台宗(てんだいしゅう)

3つの宗派はお焼香に特に決まりがありません。

一般的に3回以内で行います。

額に押しいただくかどうかも決まっていません。

お焼香の宗派ごとの回数などについては他のページでまとめてあります。
よろしければ参考にしてください。
お焼香の回数に意味はあるの?宗派ごとにやり方が違うって本当?

仏教以外の宗教

喪服を着た女性のイラスト

仏教以外にも世界中にはたくさんの宗教があります。

亡くなった方の冥福を祈る方法は宗教によって様々です。

神道儀式の拝礼

神道儀式の拝礼では玉串を奉奠(ほうてん)します。

玉串とは榊の枝に紙垂(しで)という紙片をつけたものです。

祭壇に捧げて故人の霊が安らかであることを祈ります。

神道儀式の礼拝の際は手袋ははめたままで大丈夫です。

神官に一礼して玉串を受け取り、右手は茎を上から左手は葉先を下から持ちます。

玉串案の前まで進んで再び一礼し、茎が手前になるように時計回りに90度回します。

左右の手を持ち変え、時計回りで根元を祭壇に向け玉串案に捧げてください。

少し下がって2回深く礼をして、2しのび手を打ちます。

しのび手は、音を立てずに手を叩くことです。

もう1度深く一礼し、最後に神官と遺族に礼をするのが神道儀式の礼拝の流れです。

キリスト教式の献花

献花に使われる白いユリのイラスト

キリスト教式の献花をおこなう時も手袋はしたままで大丈夫です。

花の方が右手、茎の方が左手になるように両手で花を受け取ってください。

遺影に向かって一礼をし、茎が祭壇側に向くように献花台に置きます。

献花台から少し下がって深く一礼し、最後に聖職者や遺族に一礼するのがキリスト教式の献花の流れです。

お焼香の種類

お焼香にはいくつかの種類があります。

  • 立礼焼香
  • 座礼焼香
  • 回し焼香

などです。

どのお焼香の場合でも作法は同じです。

お焼香の種類によって注意しておかないといけない点がいくつかあります。

立礼焼香

立礼焼香のイラスト

斎場などでお通夜や告別式を行う場合は立礼焼香がほとんどです。

一番多い形式で、立礼焼香は立ってお焼香を行います。

遺影の前に焼香台と香炉が置かれ、参列者は順番が来ると自分の席を立って焼香台まで進みます。

ごく一般的で、お焼香の順番を間違わないようにしてください。

最近ではお寺でも椅子が用意されていて立札焼香を行うところもあります。

座礼焼香

座って行うお焼香を座礼焼香と呼びます。

和室で行われる場合は座礼焼香が多いです。

参列者が順番に焼香台まで移動してお焼香を行う流れは立礼焼香と同じです。

しかし、立札焼香と違って焼香台と席の移動に作法があります。

焼香台までの距離が近い時は「膝行・膝退」で立ち上がらずに移動することが作法とされています。

自分の席から焼香台までの距離が離れている場合も完全には立ち上がらずに中腰の姿勢で移動するようにしてください。

回し焼香

自宅で行い場所が狭い場合や、参列者が多くて焼香台までの移動が難しい場合に回し焼香が用いられます。

香炉と抹香をお盆などに乗せて参列者に回して自分の席でお焼香を行う方法です。

香炉と抹香がのったお盆を隣の人から受け取りお焼香を行い、終わったら次の人にお盆を回します。

お盆の受け渡しは必ず両手で行うようにしてください。

まとめ

お通夜で手袋は派手でなければはめても大丈夫ですが、お焼香の際は外すようにしてください。

色は黒や濃いグレーなど目立たない色を選んでください。

夏場であれば黒のレースの手袋でも大丈夫です。

お焼香の順番が回ってきたら席を立つ前に手袋をはずし、バッグにしまってから席を立つようにしてください。

神道での玉串奉奠やキリスト教での献花の場合は手袋をはずす必要はありません。

急な訃報でネイルをオフする時間がなかったときなどは手袋をしてネイルが目立たないように参列してくださいね。

どうしても手袋がない場合は、ネイルを目立たなくさせる努力をしてください。

他にも服装や髪型アクセサリーなど、お通夜やお葬式の身だしなみには細心の注意が必要です。

お通夜は亡くなった方を思い、遺族の方の悲しみに寄り添う場です。

身だしなみをにもその気持ちを表すようにしてください。