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話題のアレクサンダーテクニークはご存じですか?
古くから東洋で伝わる”ヨガ”とは違うオーストラリア生まれのボディワークです。
アレクサンダーテクニークとヨガには共通点もありますが、全く違う部分も多いです。
そこで、今回はアレクサンダーテクニークとヨガの違いについてまとめました。
このページの目次
アレクサンダーテクニークとヨガの違い
- 具体的な日常動作との距離感
- 不必要なことをやめるという意識
- 「瞑想」と「気付き」
の3つがアレクサンダーテクニークとヨガとの大きな違いです。
アレクサンダーテクニークとヨガは、共にボディワークを通して心身のストレスを軽減するというイメージがあります。
たどり着くイメージは近くても、アプローチするプロセスが全く違っています。
具体的な日常動作との距離感
一つ目のアレクサンダーテクニークとヨガの違いは「ボディワーク」です。
ボディワークの中で行う姿勢やポーズが”生活の中の動作”か、”生活の中で関係ない動作”かが違います。
アレクサンダーテクニークの体の使い方
アレクサンダーテクニークのボディワークは、
- 椅子に座る
- 立ち上がる
- 歩く
- デスクワーク
- ダンス
- 演奏
- 掃除
- スポーツ
などの日常の動きを見直します。
アレクサンダーテクニークでは自分の体をどう動かしているのか意識し、日常生活の動作1つ1つを具体的に知ることがとても重要になります。
そして、無理のない楽な体の使い方を学びます。
レッスンで得た学びや気付きを、実際の生活の中で活かします。
ヨガとは違い、アレクサンダーテクニークは日常生活の動きからストレスを軽減したり、正しい体の使い方を学ぶレッスンになっています。
運動というよりは、姿勢の矯正や体の使い方が中心です。
ヨガのポーズ
ヨガには様々なポーズがあります。
- あぐらの姿勢で足裏をぴったり合わせる合せきのポーズ。
- 胸を開いて頭の後ろで手を合わせ、脚をひじにつける鳩のポーズ。
- 片足立ちになり手を頭の上で重ねる立木のポーズ。
ヨガと言えば、体全体を使ったポーズを想像する方が多いと思います。
簡単にできる初心者向けの基本のポーズから、上級者向けのポーズまで様々ですが、ヨガのポーズを生活の中ですることはありませんよね。
そのため、生活の中の動作とは離れています。
ヨガはどちらかというと体幹を鍛えたり、エクササイズ目的のスポーツとして捉えられています。
不必要なことをやめるという意識
アレクサンダーテクニークにあってヨガにはない、大きな違いが「不必要なことをやめるという意識」です。
アレクサンダーテクニークは不必要なことは”やめる”ことを徹底します。
毎日習慣的に行っている動作は「する」ことに慣れてしまっているため、”不必要”ということに気付きにくいです。
それを”やめる”となるとさらに難しくなります。
アレクサンダーテクニークの手法を学んだ講師のアドバイスや、ボディワークを重ねることで、自分自身の体の不必要な癖や緊張に気付いて、それらを少しずつほぐして解消していくのがアレクサンダーテクニークの特徴です。
ヨガは特定のポーズを取るために、体を曲げ伸ばしして、体の各部位に適度な刺激を与えます。
アレクサンダーテクニークでいう「不必要」なものを加えていくような感覚です。
この点がアレクサンダーテクニークとヨガの全く違うところです。
「瞑想」と「気付き」
3つ目の違いは、ボディワークではなく精神面です。
ヨガは瞑想をとても大切にしています。
正しい呼吸と姿勢で、ボディワークを行いながら心の中を瞑想状態に保ちます。
瞑想は精神を集中させ、雑念の無い状態を作り出すことで「無」の境地に至ることができます。
しかし、アレクサンダーテクニークでは”気付き”が大切です。
自分の体の不必要な癖や緊張に気付き、その力を抜くように意識しながらボディワークを行います。
常に自分の体に意識を集中させて、力の入り具合を考えるように動きます。
アレクサンダーテクニークとヨガの共通点
アレクサンダーテクニークとヨガには大きな違いもありますが、共通点もあります。
- 心と体は切り離せないものと考える
- 基本的な考え方をしっかり実践する
- 体全体を使ったボディワークを行う
などが、アレクサンダーテクニークとヨガの共通点です。
実際に、ヨガのレッスンに通っていた方が”さらに学びを深めたい”と、アレクサンダーテクニークのレッスンを始めたり、その逆もあります。
アレクサンダーテクニークとは?
19世紀のオーストラリアの俳優F.M.アレクサンダー氏が編み出した健康法です。
アレクサンダー氏は「舞台に上がると声が出なくなる」という自分自身の問題をきっかけに「自分の体の使い方」を見つめ直す方法を考えました。
頭、首、背中の関係に注目し、「自分でも気づいていない癖や緊張がなければ人間は自由に力を発揮できる」とアレクサンダーテクニークは唱えています。
アレクサンダーテクニークの効果として、
- 身体の痛みの解消
- パフォーマンスの向上
が挙げられます。
身体の痛みの解消
無意識の姿勢や癖によって体を緊張させていることから起こる肩こりや腰痛などの身体の痛みを軽減します。
パフォーマンスの向上
歌や楽器演奏、演劇、スポーツなどは、慣れれば慣れるほど動きにも癖がついてしまいます。
身体の動かし方を見直して、パフォーマンスを最大限に発揮する効果が期待できます。
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ヨガとは?
ヨガはインドや中国などの東洋で3千年以上昔から行われてきたボディワークです。
「ヨガ」とはサンスクリット語で「つながり」を意味していて、心と体と魂が繋がっている状態のことを表しています。
呼吸、姿勢、瞑想を組み合わせ、心と体の緊張をほぐし、心身の安定した「つながり」を得るものです。
現代のヨガのレッスンのほとんどはアメリカに渡ってから進化し、取り入れやすくなりました。
ヨガの効果として、
- 柔軟な体になる
- 姿勢が良くなる
- 便秘の緩和
- ストレスの緩和
などがあります。
柔軟な体になる
ヨガの色々なポーズを行うことで、体の柔軟性が増します。
骨や筋肉、関節も、柔軟に鍛えられるため、骨粗鬆症や関節痛の予防にもなります。
姿勢が良くなる
筋力がつき、体のゆがみも矯正されます。
バランスの良い美しい姿勢を保つことできるようになります。
特に、体幹と呼ばれる体の深部の筋肉が鍛えられることで、脂肪の付きにくい状態になり、ダイエット効果もあります。
便秘の緩和
リンパの流れや血行が良くなり、内臓も活性化されます。
様々な病気の予防になったり、腸内環境を整え、便秘の緩和にもなったりもします。
ストレスの緩和
疲労回復効果のあるポーズや呼吸法、瞑想などでリラックスすることで、不安やイライラが落ち着きます。
ストレスによる不眠や頭痛、様々な病気の改善、予防になります。
まとめ
アレクサンダーテクニークとヨガの違いは、
- 具体的な日常動作との距離感
- 不必要なことをやめるという意識
- 「瞑想」と「気付き」
の3つです。
全く違うものと捉えがちですが、心と体は切り離せないものと考え、基本的な考え方をしっかり実践し、体全体を使ったボディワークを行うという点は共通しています。
アレクサンダーテクニークは生活の中での正しい体の使い方、ヨガはレッスン中に普段使わない体の筋肉を動かし瞑想するイメージです。
最近ではダイエットや健康維持のためにジムに通ったり、ボディワークのレッスンを受けたりする方が多くなりました。
生活の中で無理なくボディワークを行うためにも、それぞれの特徴や違いを知っておくことをオススメします。