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前の冬から持ち越した灯油の処分にお困りですか?
灯油を処分する場合、ガソリンスタンドや販売店で処分してもらうことができます。
今回は持ち越した灯油の処分方法などについてまとめました。
灯油の保管方法や、使い切り方についてもご紹介いたします。
このページの目次
持ち越した灯油の処分方法
灯油を処分する時、そのまま下水道に流すのは絶対に止めてください。
下水道でもし引火すると、近所一体が大規模な火災になる危険性もあります。
灯油は適切に処分してください。
持ち越した灯油を処分したい場合、量や保管場所によって対処方法が分かれます。
ポリタンクで持ち越した灯油
ポリタンクに入れたまま外で保管してあった灯油は、酸化している可能性が高いです。
そういった場合はガソリンスタンドやホームセンターなど購入したお店に確認してください。
多くの所で無料または有料で引き取ってもらえます。
灯油販売車からいつも購入している場合は、ポリタンクごと持ち帰り満タンにして戻してもらえるところもあります。
冬が始まって灯油を買うタイミングで確認してください。
タンクで持ち越した灯油
金属製のタンクで灯油を持ち越した場合は使える可能性もあります。
石油ストーブや石油ファンヒーターのタンクの中はポリタンクに入れて持ち越した灯油よりも酸化が進みにくいからです。
気になる方はタンクからポリタンクに戻して処分してもらってください。
そのまま使う場合はストーブやファンヒーターの受け皿に残っている灯油は処分して、新しい灯油と混ぜてタンクを満タンにして使ってください。
持ち越した灯油と新しい灯油を混ぜることにより燃焼させることができます。
少量の持ち越した灯油
ポリタンクや暖房機器のタンクの中に少量残っている場合は、新聞紙やキッチンペーパーなどに吸わせて燃えるゴミで捨ててください。
ストーブやファンヒーターの受け皿の灯油も、キッチンペーパーなど吸収力の強い紙で吸うと楽に処分できます。
ペットボトルにシュレッダーした新聞紙を入れ、その中に灯油を入れて燃えるゴミで捨てることもできます。
液体なのでそのまま燃えるゴミには出せませんが、何かに吸わせることによって燃えるゴミとして出すこともできます。
灯油の使用期限
灯油には使用期限は設けられていません。
使用期限が決まっていれば判断がしやすいのですが、持ち越した灯油を使うことが禁止されているわけではありません。
しかし、石油ストーブや石油ファンヒーターの説明書には持ち越した灯油を使うことは止めるように記載されています。
持ち越さないように使い切る方法
春になって灯油が残っている場合、夏になるまでに使い切るのが理想です。
使い切る方法として、
- 空焚きする
- 乾燥機の代わり
に使うの2つの方法をご紹介します。
空焚きする
残っている灯油を使い切る時は換気扇のある部屋か屋外で行ってください。
お風呂場やキッチンなどで付けっ放しにしておくか、風が通る場所で付けっ放しにしてください。
設定温度を一番高くして付けっ放しにしておくと1日かからないうちにタンクが空になります。
できれば梅雨に入る前にやっておくと部屋の中が暑くなりすぎずにオススメです。
ベランダやポーチなど屋外でも大丈夫です。
乾燥機代わりに使う
6月や7月頃までならまだ灯油も酸化している可能性も低いので、石油ストーブやファンヒーターを屋内乾燥機の代わりとして使えます。
屋内で洗濯を干す時に石油ストーブや石油ファンヒーターで部屋を暖めてあげると3時間ぐらいの運転で洗濯物が乾いています。
扇風機やサーキュレーターを併用して暖かい空気を回してあげると効果的です。
せっかく買った灯油を無駄にしないのでオススメです。
なぜ持ち越した灯油は使わない方がいいの?
なぜ持ち越した灯油は使わない方がいいのでしょうか?
灯油は他の燃料に比べて酸化しやすいからです。
料理用の油でも長期間置いておくと酸化して酸っぱい匂いを発することがあります。
灯油も同じように酸化します。
保管状況によっては2週間程度で酸化してしまいます。
酸化した灯油を燃やすと、ストーブやファンヒーターの中でススが発生して燃焼する部分を痛めます。
そのまま使い続けると故障や火災の原因になるからです。
灯油を持ち越す場合の保管方法
灯油を使い切ろうとしても、使いきれない場合もあります。
そんな場合は適切に保管すれば次の冬も使えるかもしれません。
灯油を持ち越して保管する場合の注意点は、
- ポリタンクで保管する
- 直射日光の当たる場所で保管しない
- 高温になるところで保管しない
- 屋外で保管しない
の4点です。
ポリタンクで保管する
ポリタンクで保管する場合は赤や青の色の付いた灯油専用のポリタンクで保管してください。
JISマークの付いたポリタンクは直射日光によって高温になっても発火しないようにできています。
また、直射日光を通しにくくなっています。
ポリタンクの色
ポリタンクの色は東日本では赤、西日本では青が主流です。
染料のコストの問題で西日本には青色が定着したそうです。
直射日光の当たる場所で保管しない
ポリタンクに入れておいても、夏場の直射日光は強力です。
直射日光を受けると灯油はすぐに酸化してしまいます。
屋内の日の当たらない場所で保管することをオススメします。
高温になるところで保管しない
高温になると灯油は酸化しやすくなります。
屋内でも高温になりやすい風通しの悪い場所や、日のあたりやすい南側の部屋での保管はオススメできません。
屋外で保管しない
屋外で保管していると、温度差によりポリタンクの中の空気が水蒸気になり、水となって灯油と混ざる可能性があります。
また、雨水が入ってしまうことも考えられます。
そのため、屋外で保管することはオススメできません。
どうしても屋外で保管する場合は、直射日光や雨を避けるために専用の容器に入れたりカバーをかけるなど工夫が必要です。
持ち越した灯油を使えるか確認する方法
持ち越した灯油が使えるか確認する方法は2通りあります。
「匂い」と「色」です。
この2点を確認すれば、持ち越した灯油を使うか処分するのか判断する参考になります。
匂いを確認する方法
ポリタンクや暖房機器に残っている灯油の匂いを嗅いでみてください。
酸っぱい匂いがすると酸化しているため、使わずに処分してください。
酸っぱい匂いがせず、灯油独特の匂いがすれば酸化がは進んでいません。
色を確認する方法
透明のコップに水を半分入れてから、持ち越した灯油をもう半分入れてください。
水と灯油は混ざることがないので、下に水、上に灯油が入ります。
白い紙などを後ろにかざして上半分が変色していたら酸化している証拠です。
酸化した灯油は処分してください。
境目がわからないぐらい無色透明だと、酸化が進んでいません。
持ち越した灯油を使うか使わないかは自己判断で
石油ストーブや石油ファンヒーターの説明書には持ち越した灯油は使わないでくださいと記載されています。
中には持ち越した灯油を使っても問題ない製品もあります。
国民生活センターでも持ち越した不良灯油を使わないように勧告を出しています。
不良灯油による石油暖房機器の故障や異常に注意
匂いも酸っぱくないし、変色も見られない持ち越し灯油を使うか処分するかは自己判断でお願いします。
多くの家庭ではしっかり保管して、持ち越したまま使っていることが多いようです。
我が家の灯油の処分や保管方法我
我が家では冬になるとエアコンよりもすぐに暖かくなるため、石油ファンヒーターを愛用しています。
4台の石油ファンヒーターが大活躍していて、ポリタンクは20リットルのものを3つ屋内北側の土間に保管してあります。
3月頃になると余らないように1つか2つしか満タンにしないようにしています。
それでも急に暖かくなってくる場合は灯油を余らせてしまいます。
そういった場合は雨の日に洗濯物を客間に干して、石油ファンヒーターを3時間ぐらいまわして使っています。
それでも使いきれない時は、残った灯油をポリタンクからファンヒーターのタンクに移し、ファンヒーターごとゴミ袋に入れて保管しています。
石油ファンヒーターを使う前の手入れ
ポリタンクの灯油は毎年ほぼ空なので、ポリタンクに残った灯油を持ち越すことはありません。
石油ファンヒーターを使う前に受け皿に入っている灯油を厚手のキッチンペーパーで吸わせてから処分しています。
ファンヒーターのタンクで持ち越した灯油に、新しい灯油を足してタンクを満タンにしてから動かすようにしています。
もう10年以上も使い続けていますが、今のところ変な匂いがすることもなく、問題なく動いています。
まとめ
持ち越した灯油を処分する場合、その量によって処分方法が異なります。
少量であれば新聞紙やキッチンペーパーなどに吸わせて燃えるゴミで処分しても大丈夫です。
ポリタンクに結構な量を持ち越した場合は、ガソリンスタンドや購入したお店に持ち込んでください。
灯油を販売しているガソリンスタンドであれば無料で引き取ってもらえることが多いです。
処分するのがめんどくさかったり、もったいないと思う場合は使い切ってください。
灯油には使用期限が設けられていないため、持ち越した灯油を使っても大丈夫です。
しかし、暖房機器の説明書や国民消費者センターでは持ち越した灯油を使うことは推奨されていません。
灯油は直射日光や空気に長期間触れると酸化しやすいからです。
酸化した灯油を使うと石油ファンヒーターや石油ストーブが壊れたり、火事の原因になることがあります。
持ち越した灯油が使えるか確認する方法は匂いと色です。
きちんと保管しておけば、酸化して使えなくなることは少ないです。
持ち越した灯油を使う場合は、ご自身で判断してご使用ください。
どうしても気になる場合は処分することをオススメします。
我が家ではなるべく冬の間に使い切るようにしています。
使いきれなかった場合は、新しい灯油と混ぜて使うようにしています。
灯油の処分するか迷っている場合は参考にしていただければ幸いです。