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ガソリンスタンドの看板にレギュラー、ハイオク、軽油の値段が出ています。
なぜ3種類も値段が出ているのでしょうか?
ガソリンスタンドではレギュラー、ハイオク、軽油の3種類の燃料を販売しています。
レギュラーとハイオクは同じガソリンですが、軽油はガソリンではありません。
また、レギュラーとハイオクにも違いがあります。
今回はレギュラーとハイオクと軽油の3種類の燃料の違いをまとめました。
このページの目次
レギュラーとハイオクと軽油の違い
レギュラーとハイオクはガソリンの種類になります。
軽油はガソリンとは違う種類の燃料です。
原油を材料としいる点はガソリンと軽油は共通しています。
価格は軽油、レギュラー、ハイオクの順番で値段が高くなっていきます。
1リットル辺り、軽油とレギュラーは20円前後、レギュラーとハイオクは10円前後の違いがあります。
レギュラー(ガソリン)
レギュラーガソリンは通常のガソリンです。
「普通ガソリン」と記載されているガソリンスタンドもあります。
一般的に普通車で良く使われる燃料になります。
軽自動車や、普通自動車、小型のトラック、マイクロバスなどの燃料として使われます。
セルフスタンドでは赤色の給油ノズルでが使われていることが多いです。
ハイオク(ガソリン)
ハイオクもガソリンの種類の1つです。
一般的に販売されている燃料の中では一番高級品です。
「プレミアムガソリン」や、「高オクタン価ガソリン」と呼ばれることもあります。
主に高級車や外国車によく使われます。
トヨタの86、日産のGT-Rや、Z、スバルのレガシィ、ベンツやBMWなどの高級車、フェラーリやランボルギーニなどの高級スポーツカーはハイオクを入れることが推奨されています。
車好きな人が乗る車種やブランドが多いため、乗用車にはハイオクガソリンを入れることはあまりありません。
セルフスタンドでは黄色の給油ノズルが使われていることが多いです。
ハイオクの名称
ハイオクガソリンにはガソリンスタンドによってブランドが付けられています。
国内大手のスタンドではハイオクのことを、
- ENEOS:ENEOSヴィーゴ(ヴィーゴ)
- ESSO:Synergy F-1 (F-1)
- Mobil:Synergy F-1 (F-1)
- コスモ石油:スーパーマグナム(マグナム)
- シェル:Shell V-Power(F-1)
- ゼネラル:Synergy F-1 (F-1)
- 出光:スーパーゼアス(ゼアス)
と記載してあることもあります。
レギュラーとハイオクの違い
同じガソリンでも値段に差があるレギュラーとハイオクは、「発火のしにくさ」が違います。
元々ガソリンは火が着きやすい燃料です。
自動車はエンジンの中でガソリンを爆発させて動いています。
発火しやすいとガソリンがエンジンの中で早く爆発してしまいます。
そのため、ガソリンには添加物を混ぜて爆発しにくいようにわざとしています。
乗用車は微妙な発火のタイミングを調整する必要はありません。
高級車やスポーツカーでは発火しにくいガソリンを使うことにより、発火のタイミングを調整して走行性能を上げています。
”発火のしにくさ”は”オクタン価”で数値化されています。
日本の場合レギュラーガソリンは89以上、ハイオクガソリンは96以上のオクタン価と決められています。
高いほうが発火しにくく、大手のガソリンスタンドではオクタン価98~100ぐらいのガソリンをハイオクとして販売しています。
ハイオクの車にレギュラーを入れたらどうなる?
ハイオクガソリン用の自動車にレギュラーガソリンを入れることはオススメできません。
自動車は動きますが、燃費が10%~30%落ちてしまいます。
場合によってはエンジンの故障の原因にもなります。
最悪の場合はエンジンを載せ替えたり、エンジンから出火したりすることもあります。
軽油
一般的に販売されている自動車の燃料の中で一番安いのが軽油です。
決して、”軽”自動車の燃料ではありません。
ガソリンスタンドによっては「ディーゼル」と表記されているところもあります。
軽油はガソリンではないため、ガソリンエンジンの自動車に軽油を入れると動かなくなります。
エンジンの作り方が全く違うからです。
軽油はディーゼルエンジン専用の燃料です。
主にトラック、バス、建築機械などで使われることが多いです。
一般車ではトヨタのハイエースや、日産のエックストレイル、ヨーロッパメーカーの外国車にはガソリン車とディーゼル車が用意されてます。
セルフスタンドでは緑色の給油ノズルが使われていることが多いです。
ディーゼル車の見分け方
ディーゼル車の見分け方は車の外側だけ見てもわかりません。
エンジン音が少し特徴的で”カラカラカラ~”という音がします。
ガソリンスタンドで働いているベテランのスタッフさんは車種で見分けることもできます。
ほとんどの場合は、給油口を開けると緑や白の”ディーゼル”と書かれたシールが貼ってあります。
車のダッシュボードに入っている車検証を見るとその自動車の燃料が記載されています。
ガソリンと軽油の作り方の違い
レギュラーとハイオクと軽油は全て同じ原油が材料になっています。
原油を350度以上に加熱すると、気化させて蒸留することができます。
蒸留過程で、
- 軽油は約180度~350度
- ガソリンは35度~180度
の範囲で取り出した燃料になります。
ガソリンの特徴
ガソリンは非常に発火しやすい燃料です。
爆発させる時に大きな圧力を加えなくても火花があれば爆発します。
しかし、軽油に比べると爆発力が弱いため大きな力を出すことができません。
そのため、大きな力が必要ない乗用車の燃料として使われることが多いです。
空気と燃料を混ぜて圧力をかけて燃やすのがガソリンの特徴です。
エンジンの中では電気を使ってガソリンを爆発させています。
軽油の特徴
軽油の特徴はガソリンよりも発火しにくい点です。
ディーゼルエンジンは中を高温にして、軽油を吹きかけて発火させています。
ガソリンよりも大きな圧力をかけることにより、爆発する力が大きくなります。
燃費効率がよく、力があるため、トラックやバスなどで使われています。
大きな圧力をかけるため、エンジンの音や振動がガソリン車に比べて大きくなります。
また、寒すぎるとで凍ってしまう事もあるため、寒い地方では凍りにくい軽油が販売されています。
レギュラーとハイオクと軽油以外の燃料
レギュラーとハイオクと軽油以外の燃料で動く自動車もあります。
現在市販されている自動車では3種類の燃料で動く自動車が販売されています。
- LPG
- 電気
- 水素
昔は木炭や、石炭、水蒸気で動かしていた自動車もありました。
LPG自動車
LPGは液化天然ガスのことです。
お家のプロパンガスでお風呂を沸かしたり料理に使われています。
日本ではタクシーに使われていることが多いです。
タクシーのトランクに大きなタンクがあればその中にLPGが入ってます。
LPGの特徴はガソリン車と同じエンジンで使える点です。
そのため、1台でガソリンとLPGの両方を燃料として使うこともできます。
LPGは特別なLPGはスタンドでないと燃料補給ができません。
電気自動車
電気自動車も一般的になってきました。
蓄電池を積んで、100%電気で走る市販車も増えています。
コンセントに挿して充電することによって燃料となる電気を蓄電します。
エンジンではなくモーターを使っているのも特徴です。
電気自動車はトヨタのプリウスPHV、日産のリーフなどが電気自動車です。
ハイブリッドカー
ハイブリッドカーはガソリンと電気の両方を燃料にしているため、エンジンとモーターの両方が付いています。
ガソリンを使って走りながら電気を充電していて、力のいらない場所では電気で走るようになっているのが特徴です。
ハイブリッドカーはトヨタのプリウスが発売されてからたくさんの種類が販売されました。
ソーラーカー
ソーラーカーは太陽の光で電気を作って走っているので電気自動車の1つになります。
ソーラーパネルに光を当てることによって電気を作り、モーターを回して動きます。
まだ研究開発段階で、市販車はありません。
燃料のいらない自然の力で動く未来の自動車です。
水素
水素を燃料として発電する水素燃料電池を使って走る自動車もあります。
実際は電気を燃料としているため、電気自動車の1つになります。
水素燃料電池を使って走る車はFCVと呼ばれています。
水素を燃焼させて走れる自動車もありますが、まだ販売されていません。
市販車ではトヨタのミライとホンダのクラリティが水素燃料電池を使って水素を燃料としています。
まだ水素ステーションの数が少なく、あまり普及していません。
まとめ
レギュラーとハイオクと軽油の違いは、レギュラーとハイオクはガソリンで軽油はガソリンではありません。
レギュラーの方が燃えやすく、ハイオクの方が燃えにくい燃料です。
乗用車にはレギュラー、高級車やスポーツカーにはハイオクを使うことが多いです。
軽油は主にトラックやバスなどの大型車に使われています。
ガソリンと軽油は作り方が違っていて、レギュラーとハイオクは”オクタン価”が違います。
また、エンジンの構造がガソリンと軽油で全く違います。
そのため、ガソリン車に軽油を入れると動かなくなります。
他にもLPGガスや電気で動く自動車もあります。
これからの未来はガソリンや軽油などの化石燃料を使わない自動車が増えていくかも知れません。