この記事を読むのに必要な時間は約8分です。
カウンセリングを受けることで双極性障害の治療に効果があるのか気になりますよね。
双極性障害はカウンセリングを受けるだけでは効果がないかもしれません。
他の治療と平行して行うことでカウンセリングの効果が表れます。
極性障害とはどのような病気なのか?
そこで、今回は双極性障害について治療法などをまとめました。
このページの目次
双極性障害にカウンセリングは効果的なのか?
カウンセリングは薬などに頼らず話を聴き、必要に応じて助言や指導などの援助を行います。
自分の心の問題をカウンセラーと共に見つめ、解決に必要な道筋を専門的な知識を元に作っていくものです。
双極性障害は、単純な心の問題だけで発症するものではありません。
カウンセリングを受けるだけでは、治療を受けているとは言えず、効果は期待出来ません。
カウンセリングを治療と並行して受けることに効果がある場合があります。
双極性障害ではカウンセリングを受けないことも
双極性障害の場合、必ずしもカウンセリングを治療として行わないこともあります。
お医者さんの判断によって、お薬だけの治療(薬物療法)でも良いと判断されると、カウンセリングによる治療は行われません。
双極性障害の治療のパターンとしては、
- 薬物治療のみでカウンセリングは行わない
- 薬物療法と合わせて、医師が治療の一環として行う
(厳密にはカウンセリングではない) - 薬物療法と合わせてカウンセラーによるカウンセリングを行う
3つに分けらます。
必ずこの3つのどれかだけに当てはまるわけではありません。
話をするのが辛いほどの症状であればカウンセリングを受けること自体負担になります。
そのような場合は、まずは薬物療法で落ち着いてからカウンセリングを行うこともあります。
その都度、症状に合わせて治療法が変化します。
本人がカウンセリングをもっと受けたいと思った時などは症状や状態に応じて、医師の判断でカウンセリングの回数が増えることもあります。
双極性障害はどんな病気?
一般的に躁うつ病と呼ばれていた双極性障害は、うつ病と同様に、気分障害を基本とする精神疾患です。
うつ病という名称が含まれていることから、同じように捉えられがちです。
しかし、うつ病より長期化しやすく、治療も難しいといわれています。
うつ病は、気分が落ち込み、何に対してもやる気が起きず、食欲もなくなり死にたいと考える症状が続きます。
しかし、双極性障害はうつ状態と、躁状態が繰り返し発症します。
躁状態になると気分が高まり、眠らなくても疲れを感じず、何でも出来るような気になり、じっとしていられなくなる状態などが起こります。
このうつ状態と躁状態を繰り返すのが、双極性障害です。
双極性障害のタイプ
双極性障害は、3つのタイプに分けられています。
- 双極I型障害
- 双極II型障害
- 気分循環性障害
の3つです。
双極性障害の双極I型障害
双極I型障害は、これまで躁うつ病と呼ばれていたような、典型的な躁状態とうつ状態を繰り返します。
誰でも気分の上がり下がりはあります。
双極I型障害では躁状態の時に起こる万能感は周囲の人からしても「いつもと違う」と感じます。
そのため、大きなトラブルに発展することがあります。
気持ちが大きくなることで、買い物やギャンブルに大金をつぎ込んだり、性的逸脱行動に走ったりなどが見られることもあります。
仕事や生活に支障をきたすような損失を伴うこともあります。
ひどい場合は入院して治療することもあります。
双極性障害の双極II型障害
双極Ⅱ型障害は、I型に比べると軽い躁状態(軽躁状態)とうつ状態を繰り返します。
軽躁状態の為、入院が必要なことは少なく、大きな社会的な損失もありません。
しかし、その分本人にとっては軽躁状態と認識出来ず、ただ好調であると錯覚してしまいます。
そして、その後やってくるうつ状態だけで、うつ病と誤診させてしまうこともあります。
双極性障害の気分循環性障害
気分循環性障害は、波はあるものの軽いうつ状態と軽い躁状態を繰り返します。
症状はII型よりも軽く、2年以上繰り返し続き、症状のない時期が2ヶ月も続かないと診断されます。
いつも不安定な状態ですが、程度が軽い為、本人や周囲が気付かないこともあります。
なぜ双極性障害は治療が難しく長期化しやすいのか?
うつ病と違い、躁状態も起こるのが双極性障害です。
躁状態だと本人が自覚出来ないことがほとんどです。
うつ状態から抜け出したことで、自分は良くなっていると思い、躁状態に入ることでむしろ元気になったと勘違いしやすいからです。
診断してもらう為に受診する際も、躁状態のことを伝えられないままだと、うつ病と診断されてしまうことがあります。
躁状態とうつ状態を繰り返す期間は人によって様々ですが、うつ状態の方が長いことがわかっています。
うつ状態から発症し、うつ病と診断された後に躁状態が起こります。
その時点で初めて双極性障害と診断されるため、最初の診断での発見が難しい病気です。
躁状態とうつ状態は、対になっています。
躁状態が盛り上がるほど、うつ状態での落ち込みが深くなり、より完治が難しくなります。
そして、うつ状態と躁状態の周期がだんだんと短くなり、より長引くことになります。
また、双極性障害の場合、うつ病で使われる薬が効きません。
病状を悪化させてしまうことがあります。
最初にうつ病と診断され、服薬しても症状が変わらず、双極性障害だとわかったという事例もあります。
双極性障害の薬の使用には注意が必要です。
双極性障害の治療法
躁状態とうつ状態からの回復を目指し、再発を防ぐことが、長引かせない為の治療のポイントです。
最初は薬による療法を行うのが一般的です。
双極性障害の治療には、気分安定薬や抗精神病薬が使われます。
躁状態なのか、うつ状態なのか、その時々の状態に合わせた服薬が大切です。
双極性障害は再発しやすく長引きやすい為、長期にわたる服薬を視野に入れ、薬を使用しながら症状をコントロールします。
薬物療法とあわせて行われるのが、心理社会的治療と呼ばれるカウンセリングを含む治療です。
カウンセリングでは、双極性障害という病気を受け入れることから始まります。
病気に対する理解を深め、自分の症状を客観的に捉えられるようにすることが、再発や悪化を防ぐことにつながります。
この時にカウンセラーとカウンセリングを行い、病気の事や生活の事を話して解決に必要な道筋を作ります。
生活リズムの乱れが、悪化につながることも分かっているため、規則正しい生活も重要です。
また、家族や周囲の人のサポートも重要です。
本人には変化だと気付けない症状も、周囲の人が見逃さずに早期の対処ができます。
まとめ
双極性障害は、カウンセリングだけで効果が得られるわけではありません。
投薬治療と共にカウンセリングを受けることにより回復の道筋を立てる効果はあります。
早い段階で正しい治療を受けられれば、普通の生活を送るようにコントロール出来る病気です。
診断された時は、自身の病気への理解を深め、服薬を維持していくことが大切です。
完璧な自分を求めようとせず、規則正しい生活を送ることで、再発のサインを見逃さないようにします。
本人に自覚出来ない変化も、周囲のサポートを得て早めに対策出来ると、悪化したり、長期化したりすることを避けられます。
双極性障害かも知れない、うつ病かも知れないと思ったらしんどいかも知れませんが、精神科などの病院へまずは行ってください。
医師と相談した上でカウンセリングが効果的な治療法になる場合は、カウンセリングを受けることになります。
私も双極性障害でした。
精神科のある病院に4つ行って、4人目の先生と相性がよく治療することができました。
カウンセラーとのカウンセリングは初回の1回のみ受診しただけです。
病院へ行く際もセカンドオピニオイン、サードオピニオンを求めて複数の病院へ行き、相性の良いお医者さんと治療を進めることをオススメします。