ヘッドマウントディスプレイやVRは近眼になりやすい!?

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近年新しい技術として、ヘッドマウントディスプレイやVRがゲームで使われたり、教育プログラムとして活用されています。

VRの機器が手ごろな価格になっている中、すでにお持ちの方も多いのではないでしょうか?

しかし、新しい技術の製品には不安もあります。

目の前に画面があるヘッドマウントディスプレイやVRは近眼にならないのでしょうか?

今回は研究により解明されたことも含め、ヘッドマウントディスプレイやVRが近眼になるのかまとめました。

ヘッドマウントディスプレイでVRを見ると近眼にならない?

ヘッドマウントディスプレイでVRを楽しむ男性のイラスト

ヘッドマウントディスプレイやVRで近眼になるという事実はまだありません。

最近の研究で、VRは視力を回復させる可能性があることが分かりました。

実験では、9~12才の子供50人にお絵かきソフトで遊んでもらい、その後の目の影響を調べました。

すると、ほとんどの子供に目の疲労が見られず、視力が下がるどころか上がったという結果が出ました。

また、VRのゲームをヘッドマウントディスプレイで遊んだ場合と、タブレット型の液晶ディスプレイで遊んだ場合を比較して目の影響を調べました。

ヘッドマウントディスプレイで遊んだ子どもは14%、タブレットで遊んだ子どもは7.7%、視力が上がったことが確認できました。

VRで斜視になる可能性

ヘッドマウントディスプレイでゲームをして疲れた男性のイラスト

しかし、注意しなければいけないこともあります。

VRで遊ぶことによって、斜視(しゃし)になる可能性があります。
近眼と、斜視は別の病気です。

斜視になると、視力が下がって結局は近眼になってしまいます。

ヘッドマウントディスプレイも、テレビゲームと同じように、

  • 長時間のプレイは避ける
  • 適度に休憩を入れる

などの適切な使い方をするようにしてください。

ヘッドマウントディスプレイやVRで近眼にならない理由

透過型のヘッドマウントディスプレイのイラスト

ヘッドマウントディスプレイを使ったVRでは焦点距離が2~3mに設定されているため、遠くの距離で映像を見ていることになります。

そのため、”目の筋肉”を緩めて使うことができます。

近眼は遺伝的になってしまうこともあります。

遺伝でない場合の原因は、パソコンやスマートフォンなどを近い距離で見続けると目が疲れるからです。

目が疲れると焦点を調節する”目の筋肉”が緊張状態に慣れてしまいます。

そのため、”目の筋肉”が焦点を調節する機能が失われて近眼になります。

なぜヘッドマウントディスプレイやVRで視力が上がるのか?

ヘッドマウントディスプレイでゲームをしているイラスト

ヘッドマウントディスプレイやVRに使われる映像は、左右の目に違う映像を見せることで脳をだまして遠近感を出すという技術を使っています。

この錯覚を利用して、映像は2~3メートルに焦点が当たっていると目の筋肉も遠くを見ているときと同じように働いています

ヘッドマウントディスプレイのVR映像でも、ずっと遠くを見ていることになります。

目の筋肉が鍛えられ、視力が上がることが分かっています。

なぜヘッドマウントディスプレイやVRで斜視になるの?

斜視の男性のイラスト

ヘッドマウントディスプレイで近眼になりにくい理由は分かりましたが、なぜ斜視になるのでしょうか?

斜視とは、片方の目で目標を見ていても、もう片方の目が別の方向を見ている状態のことです。

ヘッドマウントディスプレイを使ったVRでは左右で違う映像を見せて遠近感を出しています。

本来は両目で見て焦点を合わすのが普通の状態ですが、片目だけで見ようとすると左右の目が同じ働きをしません

それが、斜視になる原因です。

斜視になると当然視力は下がってしまいます。

また、立体的にものを見ることも難しくなります。

VRとヘッドマウントディスプレイとは?

ヘッドマウントディスプレイやVRとはどういうものものか、簡単にまとめました。

ヘッドマウントディスプレイとは?

ヘッドマウントディスプレイのイラスト

ヘッドマウントディスプレイは頭につけるディスプレイ装置のことです。

スマートグラスと言われることもあります。

大きく分けて2つの種類に分かれます。

片目だけに映像を映す「単眼式」と、両目に映像を映す「両眼式」です。

また、サングラスのように透けて見える「透過型」や、透けない「非透過型」があります。

映る映像が3Dか2Dかによって使うヘッドマウントディスプレイも違います。

どのモデルも目の疲労を抑えるため、なるべく遠くに焦点が合うような映像を映し出すようになっています。

VRは主に頭に付けた非透過型のヘッドマウントディスプレイを使うと楽しむことができます。

透過型のヘッドマウントディスプレイでは主にAR(Augmented Reality)と呼ばれる拡張現実を楽しめます。

ヘッドマウントディスプレイで楽しむVRとは?

ヘッドマウントディスプレイでVRをモーションコントローラーで楽しむ男性のイラスト

VRとはバーチャルリアリティ(virtual reality)の略です。

現実や実物ではなく、機能として現実や実物と同じ環境を再現し、五感を刺激させることです。

この記事では、映像によって視覚を刺激するVRについて書いています。

VRの映像を見ると、あたかも別の世界にいるような感覚になります。

現在はVRとして映し出される映像は2~3mに焦点が当たるようになっています。

VRとARの違い

AR(拡張現実)のイラスト

VR(virtual reality)とAR(Augmented Reality)はどう違うのでしょうか?

VRは「機能として現実や実物と同じ環境を再現して、五感を刺激させる」です。

それに対して、ARは拡張現実という意味で、「現実世界に機械を通して追加情報を加える」ことです。

例えば、ポケモンGOはスマホを通して映っている現実世界にモンスターが出てくるARです。

VRは3D映画はメガネをかけることによって、映像が立体的に見えて視覚を刺激しているVRになります。

ヘッドマウントディスプレイでVRを見る時の注意点

ヘッドマウントディスプレイでVRのゲームを楽しむ子供のイラスト

ヘッドマウントディスプレイでVRを見続けると斜視になる可能性があります。

大人がしっかりと休憩を取って使用すればそこまで心配することはありません

しかし、子どもがヘッドマウントディスプレイでVR映像を見るときは注意が必要です。

子供にとってのVR

子供は成長途中で、目の成長も例外ではありません。

目には「立体視細胞」という細胞あり、これが焦点を合わせる動作に影響を与えています。

立体視細胞は成長と共に発達し、6才頃で成長が止まります。

立体視細胞の成長が終わるまでに斜視になると、手術をしても立体で見る力がとても弱くなります

そのため、ヘッドマウントディスプレイやVR機器や施設には年齢制限がかけられています。

いくらVRのゲームが面白いからと、子供が一定の年齢になるまでVRで遊ばせることは避けるようにしてください。

まとめ

ヘッドマウントディスプレイでVRの映像を見ることは、近眼を引き起こすことはなく視力を上げる効果があると研究で分かっています。

しかし、斜視になって視力が下がる恐れがあることも分かっています。

ヘッドマウントディスプレイでVR映像などを楽しむ技術は左右の目の錯覚を利用して再現しています。

そのため、左右の目の筋肉をバランス良く動かすことができません

特に子どもがヘッドマウントディスプレイでVRのゲームをやる時は十分に注意してください。

子供の頃に斜視になると手術をしても立体的に目で物を捉えにくくなります。

もし視力が上がるなら、私もヘッドマウントディスプレイを買ってみようと思いました。

これからも更に技術が進歩し、より快適で安全にヘッドマウントディスプレイでVRが楽しめる日が楽しみです。